施設基準の変更届を出すタイミングについて解説

施設基準

この記事では、施設基準の届出って結局いつするのが正しいのか?ということを、厚生局への疑義照会結果を踏まえて解説していきます。

とくにここでは、人員に変更があった際について、具体的な場面を挙げながら整理していきます。

例えば年度末年始の人員入れ替えや、退職に伴って辞退することになった場合のタイミングや算定の切り替え時期について、案外曖昧になっている方が多いのではと思いますので、疑義照会結果をお伝えします。

 

まずその前に、要件や疑義解釈を確認してみます。

<基本診療料>

1 届出を受理した後において、届出の内容と異なった事情が生じ、当該施設基準を満たさなくなった場合又は当該施設基準の届出区分が変更となった場合には、保険医療機関の開設者は遅滞なく変更の届出等を行うものであること。(中略)ただし、次に掲げる事項についての一時的な変動についてはこの限りではない。(略)

2 1による変更の届出は、1のただし書の場合を除き、届出の内容と異なった事情が生じた日の属する月の翌月に速やかに行うこと。その場合においては、変更の届出を行った日の属する月の翌月(変更の届出について、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理された場合には当該月の1日)から変更後の入院基本料等を算定すること。ただし、面積要件や常勤職員の配置要件のみの変更の場合など月単位で算出する数値を用いた要件を含まない施設基準に係る場合には、当該施設基準を満たさなくなった日の属する月に速やかに変更の届出を行い、当該変更の届出を行った日の属する月の翌月から変更後の入院基本料等を算定すること。

 

<特掲診療料>

1 届出を受理した後において、届出の内容と異なった事情が生じ、当該施設基準を満たさなくなった場合又は当該施設基準の届出区分が変更となった場合には、保険医療機関又は保険薬局の開設者は届出の内容と異なった事情が生じた日の属する月の翌月に変更の届出を行うものであること。(中略)その場合においては、変更の届出を行った日の属する月の翌月(変更の届出について、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理された場合には当該月の1日)から変更後の特掲診療料を算定すること。ただし、面積要件や常勤職員の配置要件のみの変更の場合など月単位で算出する数値を用いた要件を含まない施設基準の場合には、当該施設基準を満たさなくなった日の属する月に速やかに変更の届出を行い、当該変更の届出を行った日の属する月の翌月から変更後の特掲診療料を算定すること。

 

 

正直、例なしではなかなか分かりづらい表現だと思います。結局、年度末に退職した場合、いつが「変更の生じた日の属する月」なのでしょうか。3月・・・?4月・・・?

この考え方次第では、「変更の届出を行った日の属する月の翌月から変更後の点数を算定する」というタイミングが変わることになります。

そこでこの点について疑義照会した結果は次の通りです。

・3月31日に退職した方における変更の生じた日の属する月は、4月です。
・区分の変更がある場合は、5月から変更後の点数を算定します。
・辞退となる場合は、5月から算定を取りやめることになります。

 

つまり、3月31日まで在籍していた方であれば、3月中は要件を満たすことになり、4月1日から満たさないことになる。
満たさないという変化が起きたのは4月1日からなので、変更の生じた日の属する月は4月、という考えになります。

人員のみの要件で変更を行う場合は、「変更の生じた日の属する月」=4月に変更を行い、「変更の届出を行った日の属する月の翌月」=5月から変更後の点数を算定することになるようです。

辞退のときも同様で、「変更の生じた日の属する月」=4月に辞退を行い、「変更の届出を行った日の属する月の翌月」=5月から算定を取りやめることになります。

4月には条件を満たす人員がいないという状況なのに、4月は算定していいのか?という気持ち悪さはありますが、ルール上算定してよいそうで驚きました。

 

ただし、変更にしろ辞退にしろ、「(変更の届出について、月の最初の開庁日に要件審査を終え、届出を受理された場合には当該月の1日)」というカッコ書きがありますので、4月の最初の開庁日に届出を出した場合は4月1日から変更後の点数、ないし算定取りやめとなりますので注意が必要です。

なお、4月の最初の開庁日までに提出しろということではないそうで、点数が高くなる場合以外はあえて最初の開庁日に出す必要はありません。

 

なお、テクニックとして、一度は辞退届を出した場合であっても、4月中あるいは5月1日までに早速人員補充が確定している場合、5月の開庁日までにすぐ届出をすれば、受理番号は変わりますが、引きつづき5月1日から算定可能だそうです。

 

以上が疑義照会に基づく解説でした。

コメント