今回は「重症患者初期支援充実加算」の算定対象と算定日数について紹介します。
まずは算定要件を確認します。
(1) 重症患者初期支援充実加算は、集中治療領域において、患者の治療に直接関わらない専任担当者(以下「入院時重症患者対応メディエーター」という。)が、特に重篤な状態の患者の治療を行う医師・看護師等の他職種とともに、当該患者及びその家族等に対して、治療方針・内容等の理解及び意向の表明を支援する体制を評価したものであり、当該保険医療機関に入院している患者について、入院した日から起算して3日を限度として算定できる。なお、ここでいう入院した日とは、当該患者が当該加算を算定できる治療室に入院又は転棟した日のことをいう。
(2) 入院時重症患者対応メディエーターは、以下の業務を行うものとする。
ア 当該患者及びその家族等の同意を得た上で、当該患者及びその家族等が治療方針及びその内容等を理解し、当該治療方針等に係る意向を表明することを、当該患者の治療を行う医師・看護師等の他職種とともに、支援を行う。
イ 当該患者及びその家族等に対して支援を行うに当たっては、支援の必要性が生じてから可能な限り早期に支援が開始できるよう取り組む。
ウ 当該患者及びその家族等の心理状態に配慮した環境で支援を行う。
エ 当該患者及びその家族等に対して実施した支援の内容及び実施時間について診療録等に記載する。
この文章を読んだとき、
結局誰に算定してよいの?算定できる病棟に入室すれば全員算定できるの?あくまでメディエーターが介入した患者にのみ算定するの?
という疑問が浮かびました。というのも、(1)で「重症患者初期支援充実加算は・・・体制を評価したものであり」というように体制を評価したものであれば、全員に算定できると解釈できます。一方、(2)で「ア 当該患者及びその家族等の同意を得た上で」というように患者を限定する記述もあります。
また、算定日数についても2点疑問がありました。
例1)12/15にICU初日で算定したとして、12/16に一般病棟へ転棟するも、12/17、18とICUに再転棟した場合、再転棟後は算定できるのか?
例2)12/15から3日間ICUで算定したとして、その後一般病棟で治療を継続中に、異なる疾患を発症し改めてICUに入室した場合、後者でも3日間算定できるのか?
なお、例2については、令和4年3月31日付疑義解釈において、
問 77 区分番号「A234-4」重症患者初期支援充実加算について、「入院した日とは、当該患者が当該加算を算定できる治療室に入院又は転棟した日のことをいう」とあるが、当該加算を算定できる病室に入院後、当該加算を算定できない病棟又は病室に転棟し、再度当該加算を算定できる病室
に入室した場合、起算日についてどのように考えればよいか。
(答)重症患者初期支援充実加算を算定できる病室に最初に入室した日を起算日とする。
とあり、難しいだろうなという予想はしていました。ただ、別疾患のときでもダメなのか?という思いがありました。
そこで、これら3点について疑義照会しました。
・再転棟後も算定してよいのか?
・異なる疾患を発症した場合は改めて算定してよいのか?
結果はこのとおりです。
体制を評価したものであり、個々の介入の有無は関係ない。
<算定日数>
連続した最初の3日間のみ算定可能であり、急変等で再転棟した場合でも算定はできない。
つまり、算定できる病棟に入室した者であれば誰でも算定してよいということですね。これはありがたいことです。
そして、連続した3日間という条件。これは予想通りといえば予想通りでした。
今回は以上です。もし異なる解釈がありましたら教えていただけると幸いです。
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